看護のアセスメントには、所定の書き方があり、看護師の思いつきで書いてはいけません。まず、アセスメントはきちんとした前提情報に基づくことが不可欠で、アセスメントに評価の根拠となる情報の記載を求められます。前提情報には主観的情報と客観的情報の2種類があり、いずれに偏っても正しい分析が成されたとはいえないでしょう。患者本人の主張という主観的情報と医療従事者が観察して得られた客観的情報をバランス良く取り入れ、緻密な分析を可能にすることが求められます。
豊富な情報を入手しても、看護師の偏見によって解釈を曲げてはいけません。ロジカルシンキングを駆使して、誰が読んでも納得するような合理性のある解釈を心がけることが必要です。特に、客観的情報については、検査の数値が基準値を逸脱しただけで直ちに異常だと結論を出すのは早計といえるでしょう。患者の個人差によって、異常が無くても基準値に当てはまらないことが多いからです。一定の経験値から、明確な根拠なく結論に飛びつくようなアセスメントも避けることが必要です。
一定の合理性が認められても、看護の範囲を逸脱したアセスメントは不要です。医師など他業種のスタッフの業務範囲に含まれるものまで記入しないよう注意すべきでしょう。看護のアセスメントは、あくまでも看護ケアに役立つ内容に仕上げることが欠かせません。先走って、アセスメントに援助内容を加えることも禁物です。アセスメントは、分析と評価に留めることが大切といえます。